■七夕熱帯夜(16×30)



「七夕?」

箸を片手に持ったままカカシが訝しげに尋ねた。カカシの真後ろにある窓から朝日が射して、
銀色のカカシの髪の毛を早い太陽がきらきらと照らす。

「え…サスケ、七夕って、今日?」
「そうだ。おい、こぼれてる」

メシの最中に気を逸らすものだから、カカシの持つ箸の間からメシ粒がぽろりぽろりとこぼれていった。
あ、ごめん、とかなんとか言いつつ、またカカシは首を傾げる。
やめろ、それ。かわいいから。
そんなことを思ってしまう俺の脳みそも大概かわいらしい気がするが…そういえば
ナルトのやつはそれを「…可哀相」と表現しやがった。どういう意味だ。
とりあえずその『…』がなんかムカつく。

「七夕ぐらい知ってんだろ」
「知ってるけど…」

メシ粒をこぼしたまま考え込んでいるカカシに俺が尋ねると、
カカシは何だか煮え切らない返事を寄越した。
どうでもいいけど髪の毛がはねてるぞ。かわいいな。

「七夕ってあれでしょ、海苔巻食べていわしを入り口に飾って、赤飯炊くんだよね」
「それは節分だ」

それと赤飯は何のことだ。

「え?ちらし寿司だったっけ」
「それはひな祭りなんじゃないのか?」

うちはの家には男児しかいなかったから、桃の節句を祝ったことはないのでよく知らないが…
でも七夕じゃないだろう。
またカカシは何やら思い出そうとするように宙を見つめて考え込んで、
それから少し情けなさそうに眉尻を下げた。

「…わかんないや。七夕って何するんだっけ」
「何って、ほら、笹に願い事を書いた短冊をつって軒先に飾ったりすんだよ」
「あ、あれ七夕なのか」

へー、そうだったのか。妙に納得顔でカカシはそう言うと、中断していた食事を再開した。
納得できないのは俺だ。

「アンタ、七夕知らなかったのか?」
「ん?笹飾りは知ってるよ、見たことある」
「行事は?あんただってやったんだろう」

カカシの父親はカカシが幼い頃に自殺してしまったらしい。それからカカシは、
師匠でもある四代目火影を親代わりに育ったと言っていたが…話を聞く限り
四代目火影は結構マメな人物だった。木の葉で生まれ育った人々は、
こういった習慣的なものを他里に比べて割合大事にする。
四代目火影だってまだ小さいカカシを側に置いていたのなら、
七夕ぐらいやっていそうなものだが。

「んー…先生はね、この時期いっつもいなかったから…」
「いなかった?任務か?」
「ん、忍里同士の寄り合いがこの時期だったんだよ。すぐ大戦になったからなくなっちゃったけど…
いっつも今時期はセンセ家にいなかったなぁ」

で、すぐ戦が始まったから、七夕ってやったことないなぁ。
なんでもなさそうに言うカカシに俺は少し胸が痛くなった。もちろん、カカシだって
もう30の大人なんだから、そんなことに一々感傷を抱いていないというのは見ていたら分かる。
でも俺は、感傷を抱いてしまうんだ。切なくなってしまう。
カカシと普通以上に親密になって、一緒に暮らしだして、
俺はたまにカカシの持つことのできなかった過去の記憶に気付いた。
それはふとした日常に、ぽろりぽろりと落ちてくるのだ。
ぽろり、ぽろり。
カカシが風邪を引いた時、俺が寄越したすりおろしのリンゴを見て、
「これ、何?」と不思議そうに聞いてきた。
ぽろり、ぽろり。
任務で負傷したカカシが、痛み止めの切れた夜中に一人で我慢しているのに気付いて、
なぜ俺を叩き起こして呼ばないんだと怒鳴ったら不思議そうな顔をした。
ぽろり、ぽろり。
十六夜に月見団子とついでにすすきを用意して、カカシを待っていたら、
「どうしたの、それ。お供え?」と不思議そうに聞いてきた。
ぽろり、ぽろり。
ぽろり、ぽろり、…

「おい、メシ粒がこぼれてるぞ」
「あ、ゴメンゴメン」

言う側からぽろりとメシ粒をこぼして、ようやくカカシは食事を終えた。
よしよし、今日は遅刻せずに済みそうだな。俺と暮らしているからには遅刻などさせたくないのだが、
如何せん任務によっては朝晩一緒というわけにはいかない。
しかし「遅刻魔のカカシが『うちは』と暮らしだしてから、急に遅刻が減ったな」などと
カカシの同僚が言っているのを聞くのは正直気分がいい。遠慮せずもっとでかい声で言えと
言いたいぐらいだ。ついでに言うとカカシの躾をしているのだから当然カカシは俺のものだ。
手を出したりしたら火遁で燃やしてやる…大体最近のカカシの『人当たりが柔らかくなった』
というのだってな、あれは何もカカシが年を取ったからというわけじゃなくて、
ひとえにこの俺が……

「で、その七夕がどうしたのさ、サスケ」

俺の思考を中断させる低目のいい声でカカシが聞いてきた。
いかん、また脳を旅に出すところだった。かわいい子には旅をさせろというが…
それでナルトがいっそかわいらしい最近の俺の脳構造を「可哀相」と評するのはどういうことだ。

「ん、俺の屋敷の庭に笹があるからな。折角だし笹飾って、笹寿司でも作ろうと思ったんだが、
あんた今日は早いのか?」
「え、ほんと?早い早い!今日も下忍指導でDランクだけだから」
「じゃあ、酒も用意しとくか」
「マジで!俺、七夕って初めて。サスケはこういうのきっちり知ってる坊ちゃんだからいいなぁ」

嬉しそうにニコニコと笑うカカシを見ていると、何か俺まで嬉しくなってきた。
そうか、それなら今夜は張り切って笹寿司を用意してやろう。吸い物に入れる人参は星型に抜いてやろう。
クッキーの抜き型はあったかな…確かハート型ならあったんだが。
バレンタインに使ったから…まぁ二人とも甘いものは苦手だから、夕食の大根の煮つけを
ハート型にしてやったんだが、そういえばあれはあんまり嬉しそうじゃなかったな。贅沢なやつだ。

「じゃあ、今晩楽しみにしてるね、サスケ」
「おう、任せとけ」

ニコニコ笑っているカカシの口元にひとつキスを落として、俺は上機嫌で家を出た。

「ごちそうさまでした」
「お粗末さまでした」

七夕の今日、俺は朝の約束どおり笹寿司を作って夕食に出してやった。カカシは嬉しそうに
その寿司を平らげた。吸い物の星型の人参には微妙な顔をしていたが…まぁもう大人だし、
照れくさかったんだろう。

「じゃあ、短冊に願い事を書いて吊るすぞ」
「願い事?」
「そうだ」
「書いたら叶うの?」
「まぁ、そういう行事だからな…あんただって七夕の由来ぐらいは知ってるだろう?」
「知ってるけど…織姫と彦星だよね」
「そうだ、年に一回とかしか会えないらしいな」
「可哀相だよねー。そんなの俺、耐えられないなぁ」

俺だってそんなことになったら耐えられない。年に一回しか会えないということはあれだ、
年に一回しかセックスできないということだ。その時に織姫が生理だったりしたらどうするんだ。
カカシは女じゃないから生理はないが…良かった。いや、良くない、良くないぞ。
大体俺だってここ十日まったくヤッていない。まぁ俺が暗部任務だったから仕方ないんだが…
考え出したら急に気になってきた。そういえばカカシも甚平なんか着てやがるし…
だから前はきちっと合わせろって言ってんだろ。乳首が見えてんじゃねぇか。誘ってんのか。

「願い事書いて吊ったら、あとどうすんの?」
「笹を川に流すが…」

そうだ。
いいことを思いついた。

「それで終わり?」
「まぁ…一応それで終わりでいいんじゃないか?」

だってあんた、知らないんだろ?
俺はわざと含みを持たせる言い方をしてカカシをちらっと伺い見た。
甚平の短めの裾から体毛の薄い白い脛がのぞいている。カカシは全体的に体毛が薄い。
色も銀色だから、本当に目立たない。甚平の奥に隠されている足の付け根の茂みも、
うっすらとして、銀色のつつましい色をしている。
それがカカシの零す蜜で濡らされると、途端にてらてらと淫猥な色を帯びて…

「知らないって、何が?ほんとはまだ何かあんのか?」
「まぁ、あると言えばあるんだが…」
「え、何よ何よ。気になるから教えてよ」
「でもな…」

俺はわざと言いよどむ振りをしてやる。カカシはまんまと身を乗り出してくる。

「え〜、教えてよ、サスケ〜。こういうのはお前みたいな育ちの子が一番詳しいでしょ」
「でもな、育ちがどうっていうか、暗黙の了解みたいなことだからな」
「暗黙の了解?七夕でか?」
「年を取るにつれて、わざわざ教えてもらわなくたって知ってることってあるだろ。
…まぁ親としても教えるような類のことじゃないが」
「え…だって俺、昔はそんな友達なんていなかったしさ…」

少し俯くカカシに俺は可哀相なことを言ったかな、とちょっと思った。
しかしそんなカカシもかわい…いやいや、よし、この調子ならいけるぞ。

「…七夕が他の行事と決定的に違ってることって何か分かるか」
「決定的に違ってること?」
「そうだ。夏にやる祭りは、基本的に秋の収穫に対して神に感謝を奉納するものだろう。
盆は死者を弔うもの、正月は新年の神様を迎えるものだ。でも七夕は、」
「七夕は?」
「…七夕は、その基本が男女の色恋だ。…わかるか?」
「え……」

カカシがビックリしたような顔をして、次いで俺の顔をまじまじと見てきた。

「男女間の色恋が基本の行事で、大っぴらに伝承できないこと、
それでも若者の間ではキッチリ伝承されてること」

カカシはまだビックリしたような顔をしている。俺だって自分の二枚舌にビックリだ。
俺は、さり気なくカカシの肩を抱いて、その耳元で囁く。

「だからな、こういうことだよ。…これを伝承通りにやれば、織姫と彦星が二人を祝福してくれて、
末永く幸せになれるんだって…」

そんなわけねぇだろ。年に一回しか会えない恋人同士の前でいちゃいちゃされたなら、
たとえばそんな状態の俺の前でカップルがおっぱじめやがったら、
俺はすぐさま千鳥を男のアソコにお見舞いして一生使い物にならなくしてやる。
会いたくても会えない、ヤリたくてもヤれない男の悲哀を思い知れ。
でももちろんそんなことは俺の心の中の呟きでしかない。

「…どうする?」

カカシの耳元に唇を寄せて、俺は少し掠れた声で囁いた。抱いているカカシの肩がピクリと揺れる。
カカシの耳が少し熱くなって、俺は今度はカカシの耳尻に噛み付いた。

「あっ、」
「そう、カカシ、そのまま…脚もっと広げて」
「もう、イヤ…」
「アンタが教えろっつったんだろ。…言っとくけど、女はこんなこと教えてくれねぇぜ。
一応男がリードするもんなんだから、男が知ってなきゃいけないんだよ。
アンタに教えてやれるのなんか俺ぐらいだぞ」

そう言うと、カカシは泣きそうな顔で俺を見た。そうだ、あんたに教えてやれるのは俺だけだぞ。
まぁ、俺の創作なんだから当たり前なんだけどな。
そんなことを知らないカカシは、涙目になって言われた通りに脚を大きく広げる。

「っ、せめて、電気ぐらい…」
「だからさっきから言ってんだろ。電気消したら織姫と彦星が見えねぇんだから。
…そういう了解の元の行事なんだから」

俺が彦星なら他人のセックスなんて見えないように全ての家の電球を割って回るが…
けれどカカシは羞恥で赤く染まった目元を伏せて、俺から顔を逸らした。
はっきり言っておいしい。カカシは恥かしがりやなので、今まで電気を点けたまま
事に及んだ試しなどない。そんなことをしようものなら拗ねてしまって、
できるはずのものもできなくなる。力に訴えようとしてもどう考えてもカカシのほうが強い。
写輪眼を使いすぎて消耗しているところを襲えば可能だが…そんなことをしたら
セックスどころか破局の危機だ。いくらやりたい盛りの息子を抱えているとはいえ、
そんな真似をするほど俺の愛情は軽くない。
でもやはり、できるのならばやりたい。そしてこのチャンス。
カカシには申し訳ないが、存分に堪能させてもらう。

「ゴムはなしな」
「!なんで!」
「天の川作んなきゃなんないから」
「…どこに?」
「聞きたいか?」
「…やっぱり、いい…ねぇ、ゴムなしなら普通のカップルはどうすんのさ!」
「だから、これは」

結婚を前提に付き合ってるカップルが別れないように、っていう、おまじないだろ。
俺はまだ涙目のカカシの耳元で囁いた。
途端に、薄灰の茂みを先走りでぽたぽたと濡らしていたカカシのアレがぐんと跳ねる。

「だから、あんたとやりたかった」
「………」

カカシはもう大人しくなって俺が腰を思い切り持ち上げても何も言わなかった。
ライトに照らされて、俺を受け入れる準備をしたカカシのそこが丸見えになる。ちょっと感動だ。
初めて見た。俺の精液を使って存分に解したそこは、白濁の液でぬるぬると光っている。

「…もう、早く、してよ…」

くぐもった声が聞こえてカカシのほうを見ると、カカシは真っ赤になって泣いていた。

「カカシ」

やばい、ちょっと苛め過ぎたか?
でも俺の中で、ごめん、という気持ちと同じくらいに残酷な気持ちが湧いて出てきた。
俺の中に、こんなにドロドロしたものが入っていたなんて。好きな人を泣かせて、嬉しいなんて。

「ごめん、カカシ。でも、あんたすっごいかわいい」

俺の言葉に返事はなくて、代わりにしゃくりあげるような声が聞こえてきた。
もっと
もっとひどいことをしてやりたい。
もっと泣き顔を見たい。
……でももっと、俺の愛しさをきちんと伝えたい。

「カカシ、力、抜いて」

カカシの穴を両の親指で割り広げるようにして、そこに俺は自分のものを充てた。
ヒクリとカカシのそこが収縮する。俺は構わずに、ずるりと侵入させた。

「っあっ、あっ、あ」
「すごい、こんなに広がってたんだな、いつも」
「も、や、だって、…そ、なこと、っ…」

俺を受け入れているカカシの穴を俺が凝視していると、カカシが涙目で脚を閉じようとした。
もちろんそんなこと許さない。俺はさらに無理なほどにカカシの脚を広げさせた。
カカシは顔を真っ赤にして浅い息をついている。
…いつも、こんな顔をしていたんだろうか。いつも…

「だってあんた、いっつももっと余裕ぶってるから」
「それは、サスケが、…」
「こんなにかわいいなんて知らなかったから」
「サ……」
「だから全部ちゃんと見たい」

繋がっているところを全部俺の眼前に曝け出しているくせに、
カカシはまた真っ赤になった顔を両手で覆った。
それでも俺がカカシの中をゆるく突き上げると鼻に抜ける声をあげて腰を捩じらせる。

「な、出入りしてるとこアンタにも見せてやろうか」
「いら、ない…っ」
「なんで。こんなに可愛いのに」
「もう、やめて…サス…ああっ」

カカシが全部言い終わる前に俺はまたぐんと突き上げた。カカシがきゅうと締め上げてくる。
俺もカカシも、いつもより限界が早い気がする。

「な、カカシ、…好き」
「あ、あ、…」
「あんたも俺のこと好きだろ?」
「あっ…あ…」
「俺に突っ込まれてこんな風に漏らすぐらい、好きだろ?」
「あ!」

カカシが一際熱い息を吐いて、俺を銜えさせられているそこが一気に締まった。
耐え切れずに俺も開放する。上気した肌を抱きしめると、汗が星みたいにきらきらと光った。

「カカシ」
「………」
「カカシ」
「………」
「拗ねんなって、カカシ」
「う・る・さ・い・っっっっ」

ものすごい勢いで飛んできた枕を俺は間一髪で避けた。
カカシは蓑虫みたいに布団にくるまったまま出てこない。

「起きろよ、今日も任務だろ」
「今日はやめだっ」
「無茶言うなよ。昔の俺たちみたいに待たせんな、可哀相だろ」

途端にカカシがガバリと起き上がった。

「誰のせいだと思ってんだよッッッ!!」
「あんたが教えろって言ったんだろうが」
「だか、だからってあ、あんな、あんな……」

更に言い募ろうとしたカカシはいきなり腰を抑えて布団に崩れ落ちてしまった。
やりすぎたか?

「ほ、本当に木の葉のカップルは皆こんなことしてんのか…?」
「だから昨日から何度も言ってんだろ。疑わしいんなら聞いてみりゃいーじゃねーか」
「聞けるか!!」

またカカシが真っ赤になった顔のまま怒鳴った。まぁ本当に誰かに聞かれたりしたら、
俺の捏造だってバレちまうんだけどな。カカシには聞けないだろう。
自分のされた行為を確認するようなもんだからな。
そう、昨日は「七夕行事を教える」という大義名分(というほどのものでもないが)の元、
大変いい思いをさせてもらった。フェラぐらいなら普段からしてくれるけど、
顔射したり玩具使ったりしたら怒るからな…今ごろ本当に怒っているのは織姫と彦星かもしれんが…。

「ほら、ほんとにもう起きろよ。朝飯できてるぜ」
「起きれないんだよ!腰がだるくて!」
「それは悪かった。じゃあ俺が運んでやる」
「いらない!」

そんなことを言いながら、俺が腰を抱くとカカシはそっぽを向いたまま、俺の首に腕を回してくる。

「ん…おはよう、カカシ」
「…バーカ」

軽いキスをするとカカシがちょっと笑った。よし、この分だと出かける頃には機嫌も直るな。

「朝飯なに?」
「茄子の味噌汁とシシャモと沢庵」
「…星型に抜いてないだろうな」
「何が」
「沢庵」
「それは思いつかなかった」

思いつかなくていいよ、そんなこと。何事かぶつぶつ言っているカカシがテーブルについたのを確認して、
俺は味噌汁を椀によそいに立った。
今回のことも他の誰かと付き合ったならバレてしまうが、俺は離す気はないからな。

「サスケ、箸―」
「ハイハイ、ちょっと待て」

何時の間にか当然のようにカカシの家に揃えられている自分の箸を改めて見て、俺は少し笑った。
こんな風に二人の日常を確認する時、俺はふいに温かい気持ちになる。
それは陽だまりのようで、穏やかで、とても優しい。
昨日確認したドロドロした気持ちと同じくらい、この温かい気持ちが大きくなればいい。

「サスケ、お茶―」
「待てっつってんだろ!」

カカシのほうに向かって怒鳴ると、カカシは寝癖のついた頭のままこっちを見て笑っていた。

七月に入ったばかりの朝方は、もう蝉が太陽の下喧しく合唱している。
次は姫始めでも教えるかな、と思いつつ、
俺は星型に抜いた茄子の味噌汁をカカシの椀に注いでいった。



-----------------------------------------

end